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神戸地方裁判所 平成9年(ワ)184号 判決 1998年5月21日

原告

旭陸運倉庫株式会社

ほか一名

被告

新田恵理子

ほか一名

主文

一  被告らは、原告旭陸運倉庫株式会社に対し、連帯して金一三三万三八九五円及びこれに対する平成七年一二月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告兵庫県交通共済協同組合に対し、連帯して金四一六万五〇〇〇円及びこれに対する平成八年八月一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

四  訴訟費用はこれを二分し、その一を原告らの負担とし、その余を被告らの負担とする。

五  この判決は、第一、第二項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  被告らは、原告旭陸運倉庫株式会社に対し、連帯して金八一二万九八七〇円及びこれに対する平成七年一二月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告兵庫県交通共済協同組合に対し、連帯して金四九〇万円及びこれに対する平成七年一二月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

一  本件は、後記交通事故(以下「本件事故」という。)により物損を被った原告旭陸運倉庫株式会社(以下「原告会社」という。)が、被告新田恵里子(以下「被告新田」という。)に対しては民法七〇九条に基づき、被告株式会社夢問屋(以下「被告会社」という。)に対しては民法七一五条に基づき、損害賠償を求めるとともに、原告会社と自動車共済契約を締結していた原告兵庫県交通共済協同組合(以下「原告協同組合」という。)が、右共済契約に基づいて原告会社に共済金を支払ったことにより、同原告の被告らに対する損害賠償請求権を取得したとして(商法六六二条)、被告らに対して右求償を求める事案である。

なお、付帯請求は、本件事故の発生した日から支払済みまで、民法所定の年五分の割合による遅延損害金である。

また、被告らの債務は、不真正連帯債務である。

二  争いのない事実等

1  交通事故の発生(当事者間に争いがない。)

(一) 発生日時

平成七年一二月一四日午前六時ころ

(二) 発生場所

兵庫県姫路市花田町上原田六九番地先 信号機による交通整理の行われていない交差点(以下「本件交差点」という。)

(三) 争いのない範囲の事故態様

訴外下大薗明生(以下「訴外下大薗」という。)は、大型貨物自動車(姫路一一あ四八九〇。以下「原告車両」という。)を運転し、本件交差点を南から北へ直進しようとしていた。

他方、被告新田は、普通乗用自動車(姫路五九さ八三九四。以下「被告車両」という。)を運転し、本件交差点を西から東へ直進しようとしていた。

そして、本件交差点内で、原告車両の左側面後部と被告車両の前面とが衝突した。

2  自動車共済契約の締結と共済金の支払(甲第七号証の一、二、原告会社代表者の本人尋問の結果、弁論の全趣旨により認められる。)

(一) 原告会社と原告協同組合とは、原告車両を被共済自動車とする自動車共済契約を締結していた。

(二) 原告協同組合は、原告会社に対し、平成八年七月三一日、右共済契約に基づき、共済金四九〇万円を支払った。

三  争点

本件の主要な争点は次のとおりである。

1  被告会社の責任の有無

2  本件事故の態様及び被告新田の責任の有無、過失相殺の要否、程度

3  原告らに生じた損害額

四  争点1(被告会社の責任)に関する当事者の主張

1  原告ら

被告新田は、本件事故当時、被告会社の業務に従事中であったから、被告会社は、民法七一五条により、本件事故により原告会社に生じた損害を賠償する責任がある。

2  被告会社

被告新田は、本件事故当時、被告会社の業務に従事中ではなく、出勤途中であった。なお、被告車両は被告会社の所有するものではない。

よって、民法七一五条の「事業の執行につき」という要件を欠くから、被告会社は、本件事故により原告会社に生じた損害を賠償する責任がない。

五  争点2(本件事故の態様等)に関する当事者の主張

1  被告ら

本件事故後、原告車両は左側面を下にして横転した。

そして、被告車両は普通乗用自動車であるのに対し、原告車両は最大積載量一〇トンの大型貨物自動車であることに鑑みると、原告車両が、被告車両との衝突の衝撃のみで横転することはありえない。

結局、本件事故の直前、原告車両は相当の高速度であり、かつ、本件事故前後の訴外下大薗の運転操作には過失があったといわざるをえない。そして、本件事故に対する訴外下大薗の過失の割合は、少なくとも四〇パーセントというべきである。

2  原告ら

被告車両が走行してきた本件交差点の西側には、一時停止の道路標識があった。にもかかわらず、被告新田は、漫然と高速度で本件交差点に進入してきたものである。

他方、訴外下大薗は、原告車両を運転するに際し、制限速度を遵守していた。そして、原告車両が本件交差点を通過し終わろうとした時に、その側面後部に被告車両が衝突してきた。

よって、訴外下大薗が本件事故を回避することは不可能であったから、訴外下大薗には、本件事故に関して過失はなく、仮に何らかの過失があったとしても、被告新田の過失の方がはるかに大きい。

六  口頭弁論の終結の日

本件の口頭弁論の終結の日は平成一〇年四月六日である。

第三争点に対する判断

一  争点1(被告会社の責任)

1  証人斉藤雄嗣の証言、被告新田の本人尋問の結果、弁論の全趣旨によると、次の事実を認めることができる。

(一) 被告新田は、本件事故当時、被告会社に勤務しており、姫路市内にある被告会社の兵庫支店に所属していた。

被告会社は、寝具の販売等を業とする会社であり、顧客を旅行させ、その旅行先で商品である寝具の宣伝をして販売するという営業活動をすることがあった。右旅行は、主にバスを利用して行われ、被告新田は、右バスに添乗員として乗り込み、顧客を引率するとともに、寝具の宣伝・販売等に従事していた。

(二) 本件事故当日も、被告新田は、バスの添乗員として乗り込む予定であった。

そして、本件事故当日に使用されるバスはレンタカーをあてることとなっており、午前六時に、姫路市船津町にあるレンタカー会社に、バスの運転にあたる被告従業員とこれに添乗する被告新田とが集合することになっており、右集合後、被告新田はバスの添乗員の業務につくこととなっていた。

(三) 集合時刻が午前六時という早朝であり、被告新田が、バス・電車等の公共交通機関を利用して右レンタカー会社に行くことは不可能であった。そこで、被告会社の兵庫支店の責任者である斉藤雄嗣は、被告新田に対し、マイカーを運転して右レンタカー会社に行くように指示した。

そして、被告新田は右指示にしたがい、被告車両を運転して右レンタカー会社に向かう途中、本件事故に遭遇した。

(四) 被告新田は、日常の通勤に被告車両を使用しており、被告会社から、通勤手当として、ガソリン代相当の金額の支給を受けていた。しかし、通勤以外には、被告会社の営業活動に関し、被告車両を使用することはなかった。

また、通常であれば、被告新田は、午前八時すぎに被告会社の兵庫支店に出勤しており、本件事故当日のように、被告会社以外の場所に集合するのは、被告新田にとっては、被告会社に就職してから約半年の間で、初めての経験であった。

2  ところで、民法七一五条一項所定の責任が発生するためには、被用者が、使用者の事業の執行につき、第三者に損害を与えたことを要する。そして、「事業の執行につき」というときには、被用者の職務執行行為そのものには属しないが、その行為の外形から観察して、あたかも被用者の職務の範囲内の行為に属するとみられる場合をも包含するものと解すべきである。

また、被用者の自家用車による通勤においては、右自動車は被用者の私生活上の所産であり、通勤途上は、被用者は未だ業務を遂行しているわけではなく、したがって、被用者の行為は使用者の拘束を離れた自由な行動の場におけるものであるから、被用者が自家用車による通勤途上に交通事故を起こした場合には、使用者がその自動車の使用を命令、助長ずるなど、自家用車による通勤と使用者の業務との間に強い関連性が認められる特段の事情のない限り、その運転行為が当然に事業の執行になるとはいえないというべきである。

3  そこで、すすんで、右特段の事情の存在について検討する。

本件においては、1で認定したとおり、被告新田は、被告会社から指定された集合場所に行く途中で本件事故に遭遇したこと、朝早いこともあって、右集合場所へ公共交通機関を利用して行くことは不可能であったこと、被告新田は、自家用車を使用して集合場所に向かうようにとの被告会社の具体的指示にしたがっていたこと、集合後、被告新田は直ちに業務につく予定であったことが認められる。

これらの事実によると、集合場所への途中とはいえ、本件事故当時、被告新田は、被告会社の具体的な指揮命令下に行動していたというべきであって、本件事故当時の自家用車による通勤と使用者の業務との間は、強い関連性が認められる特段の事情があるというべきである。

そして、後述のように、被告新田には、本件事故に対して過失が認められるから、被告会社は、同条により、本件事故により原告会社に生じた損害を賠償する責任がある。

二  争点2(本件事故の態様等)

1  甲第五、第六号証、証人下大薗明生の証言、被告新田の本人尋問の結果によると、本件事故の態様に関し、前記争いのない事実のほかに、次の事実を認めることができる。

(一) 本件交差点は、ほぼ南北に走る道路とほぼ東西に走る道路とからなる十字路である。

南北道路は、片側各一車線、両側合計二車線の道路であり、各車線の幅員は約二・七五メートルで、その外側に幅約〇・二五ないし〇・六メートルの路側帯がある。東西道路は、片側各一車線、両側合計二車線の道路であり、各車線の幅員は約二・七五メートルで、本件交差点の西側では、北に幅約〇・六メートルの溝が、南に幅約二・〇メートルの歩道がある。

右南北道路及び東西道路の最高速度は、四〇キロメートル毎時と指定されている。

そして、本件交差点の東西には、一時停止の標識及び道路標示がある。

また、本件交差点には照明があるものの、夜間は暗い。ただし、本件交差点の周囲は田で、相互の見通しは良い。

(二) 訴外下大薗は、時速四〇ないし五〇キロメートルで原告車両を運転し、本件交差点を南から北へ直進しようとしていた。

そして、本件交差点の手前約七五メートルの地点で、本件交差点の左方約八八メートルの地点に本件交差点に向かって走行してくる被告車両を認めたが、本件交差点の西側には一時停止の標識及び道路標示があるのを知っていたため、そのままの速度で本件交差点に進入した(双方車両の距離関係については、証人下大薗明生の証言よりも、甲第五号証中の同人の指示説明部分の方が、信用することができる。)。

そして、原告車両が本件交差点を通り過ぎようとした時、その左側面後部に、被告車両の前面が衝突した。

(三) 右衝突後、原告車両の後部は右側に振られ、その反動で前部が左側に振られた。そして、左前輪が路肩に落ち、訴外下大薗がこれを立て直そうとして右にハンドルを切ったため、左前輪が道路に戻るとともに、原告車両は、左側面を下にして、東の方向を向いて横転した。

なお、右横転位置は、本件交差点の北側約四五メートルの地点である。

また、被告車両は、本件交差点の北西の田に転落し、西の方を向いて停止した。

(四) 被告新田は、本件事故で傷害を負い、入院したこともあって、本件事故当時の記憶がほとんどない。

ただし、同被告は、本件交差点をよく通っており、普段は時速四〇ないし五〇キロメートルで走行している。

2  右認定事実、特に訴外下大薗の認識した本件事故直前の双方車両の位置関係に照らすと、被告車両は、本件事故の直前、時速四〇ないし五〇キロメートルで走行し、本件交差点の前で一時停止することなく、本件交差点に進入したため、本件事故が発生したことを、優に認めることができる。

したがって、被告新田には、前方不注視、一時停止義務違反の過失が認められる。

他方、車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を進行する車両等に注意し、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない(道路交通法三六条四項)から、被告車両をあらかじめ認めた訴外下大薗は、よりこれに注意し、安全な速度と方法で進行すべきであったということができるから、同訴外人にまったく過失がないということもできない。

そして、右に認定した被告新田と訴外下大薗の過失の内容を対比すると、本件事故に対する過失の割合を、被告新田が八五パーセント、訴外下大薗が一五パーセントとするのが相当である。

三  争点3(原告らに生じた損害額)

1  原告会社

(一) 損害

(1) 車両損害 金六八三万円

(請求金額は金八二八万六五四〇円)

甲第三号証、原告会社代表者の本人尋問の結果によると、本件事故により、原告車両には金八二八万六五四〇円の修理費用を要する損傷が生じたことが認められる。

乙第二号証には、原告車両の修理費用は金六二八万四八四三円である旨の部分があるが、その内訳は明らかではなく、内訳の明らかな甲第三号証と対比して、採用することができない。

他方、乙第二号証によると、原告車両は平成七年六月に初度登録された車両であること、本件事故までの累計走行距離が七万キロメートルを超えていること、被告車両の加入する自動車共済契約の担当アジャスターは、原告車両の時価を金六八三万円と査定したことが認められる。

そして、原告会社は、原告車両の新車価格は約金一一〇〇万円であった旨主張するところ、右に認定した初度登録の時期及び走行距離等に照らすと、原告車両の時価を金六八三万円とする右査定は相当なものであるというべきである。

したがって、原告車両は、本件事故により経済的には全損の損害を被ったというべきであり、車両損害を、右時価相当額の金六八三万円とするのが相当である。

(2) レッカー代等 金八三万二九〇〇円

(請求額は同額)

甲第三号証、弁論の全趣旨によると、原告会社には、レッカー代等として、金八三万二九〇〇円(甲第三号証の最終葉記載の金額)の損害が生じたことが認められる。

(3) 休車損害 金一〇〇万円

(請求金額は金五七七万五〇〇〇円)

甲第九号証、原告会社代表者の本人尋問の結果によると、原告会社は、貨物自動車運送事業等を事業内容としていること、原告車両は原告会社の営業用車両であったこと、本件事故のため原告車両を営業にあてることのできなかった期間、原告会社は、原告車両のあげていた利益を得ることができなくなったこと、本件事故当時、原告車両は一日に少なくとも金二万五〇〇〇円の利益をあげていたこと、原告車両の修理には約四〇日を要したことが認められる。

したがって、原告車両の休車損害としては、一日あたり金二万五〇〇〇円の四〇日間分である、金一〇〇万円を認めるのが相当である。

なお、原告車両は、本件事故後直ちに修理されたわけではなく、原告会社は、本件事故が発生した日から原告車両の修理が終了した日まで、一日あたり金二万五〇〇〇円の二三一日間分に相当する休車損害を請求する。しかし、原告会社代表者の本人尋問の結果によっても、原告車両の修理の開始が遅れたことに相当の理由を見出すことはできない。結局、原告会社の主張する休車損害のうち、修理を要する期間である四〇日を超える休車期間は、本件事故と相当因果関係にあるとは認められない。

(4) 小計

(1)ないし(3)の合計は金八六六万二九〇〇円である。

(二) 過失相殺

争点2に対する判断で判示したとおり、本件事故に対する訴外下大薗の過失の割合を一五パーセントとするのが相当であり、同訴外人が、本件事故当時、原告会社の業務に従事中であったことは当事者間に争いがない。

したがって、過失相殺として、原告会社の損害から右割合を控除することとし、右控除後の金額は、次の計算式により、金七三六万三四六五円となる。

計算式 8,662,900×(1-0.15)=7,363,465

(三) 損害の填補

(1) 原告会社が、被告車両の加入していた自動車共済契約の共済者である姫路市農業協同組合から金一八六万四五七〇円を受領したこと、自らの加入していた自動車共済契約の共済者である原告協同組合から金四九〇万円を受領したことは当事者間に争いがない。

(2) ところで、一部保険の保険者が第三者の行為によって生じた保険事故に係る損害の一部を被保険者に填補した場合において、被保険者が第三者に対して有する債権の額が損害額を下回るときは、右保険者は、右債権のうち填補した金額の損害額に対する割合に応じた債権を取得し、被保険者は、その反面として、右金額の限度で第三者に対する請求権を喪失するものの、残額についてはなお第三者に対する請求権を保有しているものということができる(最高裁昭和五八年(オ)第七六〇号、第七六一号同六二年五月二九日第二小法廷判決・民集四一巻四号七二三頁)。

これを本件についてみると、被保険者に相当する原告会社が第三者に相当する被告らに対して有する債権の額(過失相殺後の原告会社の損害額)は金七三六万三四六五円、保険者に相当する原告協同組合が被保険者に相当する原告会社に填補した金額は金四九〇万円、被保険者に相当する原告会社の損害額(過失相殺前の原告会社の損害額)が金八六六万二九〇〇円であるから、保険者に相当する原告協同組合が取得する債権の額は、次の計算式により、金四一六万五〇〇〇円である。

計算式 7,363,465×4,900,000/8,662,900=4,165,000

ちなみに、右金額は、当然ながら、原告協同組合が支払った共済金四九〇万円のうち、本件事故に対する被告新田の過失の割合である八五パーセントに相当する金額である。

(3) したがって、姫路市農業協同組合から原告会社に支払われた金一八六万四五七〇円、及び、原告協同組合から原告会社に支払われた金員のうち原告協同組合が保険代位により取得する金四一六万五〇〇〇円、以上合計金六〇二万九五七〇円が、損害の填補があったものとして、原告会社の過失相殺後の損害額から控除されるべきである。

そして、前記のとおり、過失相殺による控除後の金額は金七三六万三四六五円であるから、損害の填補による控除後の金額は金一三三万三八九五円となる。

2  原告協同組合

(一) 求償権(請求金額は金四九〇万円)

前記のとおり、原告協同組合が原告会社に支払った共済金のうち、保険代位により取得する請求権は、金四一六万五〇〇〇円である。

(二) 遅延損害金

原告協同組合は、本件事故の日から支払済みまで年五分の割合による遅延損害金を請求する。

しかし、原告協同組合の請求する権利は求償金であり、不法行為に基づく損害賠償請求権ではないから、当然に、本件事故の日からの遅延損害金を請求することはできない。

そして、原告協同組合が原告会社に対して共済金を支払ったことにより、本件事故の日から右共済金支払の日までの遅延損害金は原告会社に帰属し、右共済金支払の日の翌日から支払済みまでの遅延損害金は原告協同組合に帰属すると考えられること、被告らの原告協同組合に対する債権の履行期は、右共済金支払の日であると解されることを考慮すると、原告協同組合の遅延損害金は、右共済金支払の日の翌日である平成八年八月一日から発生すると解するのが相当である。

第四結論

よって、原告会社の請求は主文第一項記載の限度で、原告協同組合の請求は主文第二項記載の限度で、それぞれ理由があるからこれらの範囲で認容し、原告らのその余の請求はいずれも理由がないから棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法六一条、六四条本文、六五条一項本文を、仮執行宣言につき同法二五九条一項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する(被告会社の求める仮執行免脱宣言は相当ではないから付さないこととする。)。

(裁判官 永吉孝夫)

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